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はじめに実りの秋。 今年は例年よりもたくさん実ったようで、どこを歩いてもドングリが落ちています。 ドングリ図鑑の巻末にはドングリの食べ方や遊び方などが書いてあることが多いです。私も子供の頃、ヤジロベエやドングリコマを作って遊んだことがあります。他のスタッフとドングリの話になった時に、子供の頃にシイの実をおやつに食べていておいしかったと話すスタッフがいました。その話を聞いた時に、「ドングリってどのくらい美味しいんだろう」と気になりました。 ドングリはアクがあるのでアク抜きを
人の顔はみんな違って個性に溢れています。挨拶を交わす時、その人の顔を必ず見ると思います。 では虫と出会った時はどうでしょうか?顔を見るでしょうか?目を合わせるでしょうか?そういった人は少ないかと思います。理由は簡単で虫の方が圧倒的に小さいからです。しかし、小さいからと言って見逃してしまうのは少し勿体ない。よく見ると虫達もいろいろな顔をしていてそれぞれの魅力が溢れているのです。 今回は魅力溢れる虫の顔を紹介するため「2種のコオロギの顔」と「人の顔ような模様を持つカメムシ」につ
2024年9月30日。 「もう明日から10月か。」 カレンダーは月末にめくるタイプ。一通り9を10にし終えたところで、ふとちょっとした違和感を覚えた。 「なんか忘れてる気がする。」 何かを確実に忘れているんだけど、その「何か」を思い出せないやつ。たまにある。 月末はやることが多い。 請求書をまとめたり、スタッフの勤怠情報をまとめたり、売上報告をしたり。こんちゅうクンである前に一会社員であることを毎月末に思い知らされるのだ。 多忙な月末の業務の一つを忘れているのかもし
2019年12月。「ダンゴムシ展」の開催を控えていた私は、かねてから耳にしていた「青いダンゴムシ」を探す旅に出ました。今回はそのお話を書いていきたいと思います。 青いダンゴムシ子どもたちに大人気のダンゴムシ。庭や道端など、身近な場所に生息していることもあり、捕まえたり飼ったりしたことがある方も多いのではないでしょうか。 昆虫館にいると、「ダンゴムシの飼い方を教えてください」や、「ダンゴムシの食べ物は何ですか」など、ダンゴムシに関する質問も多く受けます。なかには親御さんから
はじめにしとしとと降る雨の中、生きものの観察に出かけたことはあるでしょうか。観察と言うと天気の良い晴れた日を選ぶかと思います。では、雨の日に生きものはいないのでしょうか? 今回は雨の日に、こんちゅう館の野外公園を回って生きものを探してみることにしましょう。一体どんな生きものが見つかるでしょうか? さあ、雨の野外公園へ出かけてみましょうさっそく見つけたのは、ジョロウグモの幼体。 近づきすぎたみたいで、大急ぎで逃げていってしまいました。もうじき成体になって、大きくて立派な姿が
竜洋昆虫自然観察公園では毎年、春から夏にかけてカイコの飼育展示を行なっています。また、観察日記や自由研究の題材としてカイコを飼育したい方向けに、カイコとクワの葉の提供を行なっています※。 こんちゅう館でも飼育解説をしており、常に相談もお受けしていますが、よりわかりやすくカイコについて知っていただけるように、今回はカイコの基本と飼い方をご紹介します。 ※こんちゅう館に直接来られる方への提供です。郵送などは行なっておりません。 カイコの基本カイコって? カイコはクワコという
僕の仕事は、昆虫を「伝える」こと。 昆虫館の展示やイベント、掲示物作り、 小学校への出張授業や講演会、 本の執筆、かるたやカレンダー制作、オムシJAPANの監督、 そして、このnoteの記事も。 形は違えど、基本的にはどれも昆虫を「伝える」ということに他なりません。 これまでに仕事を通じていろんな昆虫を伝えてきました。 夏の代名詞で大人気の カブトムシ 虫とり網でとれると歓喜が訪れる ギンヤンマ 毒針をもつ危険昆虫 スズメバチ 臭いにおいを出す カメムシ 身近すぎて嫌わ
昆虫の多様性私は子どもの時から昆虫を追い求めていて、時間さえあればひたすら虫探しをしています。昆虫は多様性に溢れた生き物で、まん丸い種からトゲのある種、空を飛ぶ種から地中深くで生活する種など、姿や生態は様々。毎日のように見たことのない昆虫が見つかるので、楽しくて仕方ありません。 時には、どうしてそんな姿、生態になったのか? と考えてしまうほどの、まさに珍奇といえる昆虫との出会いもあります。 今回は、昆虫の多様性の一端をご紹介すべく、私がこれまで出会った中で推したい「珍奇昆虫
6月から始まったクモ展も残すところあと14日間となりました。そこで今回は、展示しているクモの中から「ぜひ見て欲しいクモBest4」を選んでご紹介します。 展示されているどのクモも素敵なクモたちですので、その中からBest4を選ぶのは難しいのですが、今回は私がおススメするクモたちをお届けします。 Best4 驚きの大きさ!!やはりこの大きさのクモは外せません。展示中のタランチュラの中で一番大きいゴライアスピンクフットバードイーター。 隣に展示されているアカプルコレッドニー
左右で色の違うゴキブリ2021年8月のある日、家でゴキブリの本を読んでいると、ゴキブリを飼育している知人からメッセージがありました。 「はじめて体が2色になりました」という言葉と、マダガスカルゴキブリの写真が1枚送られてきています。その個体は体の中心を境に左右で色が違います。見た瞬間、「雌雄モザイクだ!」と思いました。 今回は当園にやってきた雌雄モザイクのゴキブリについてお話をしようと思います。 オスとメス両方の特徴を持つ雌雄モザイク個体とは、体の半分がオス、もう半分
2024年4月。私は徳島県立博物館で開催されている展示「クモという生き物」を見るために徳島県を訪れました。 竜洋昆虫自然観察公園でも企画展「クモ展」が6月より開催予定で、他館のクモ展を見ておきたいということもありました。 でもそれ以上にクモが好きだから、大好きなクモに関わる展示は絶対見ておきたい!そんなわけで静岡県から徳島県まで、この展示を見るためだけに向かったのです。 静岡県から徳島県の旅仕事が終わった日の夜。あらかじめ準備していた荷物を素早く車に積み込み、車で徳島県
4月上旬のある日、私は自宅から少し離れた河川敷に行きました。桜があと少しで満開の時期で、訪れた場所では「桜まつり」が開催されていました。屋台が出ていて、花見を楽しむ人で賑わっています。 とても綺麗に咲いていました。申し訳ない話ですが、この場所には別の理由で訪れていて「桜まつり」が開催されていることは知りませんでした。 その別の理由というのが、テントウムシ探しです。なぜテントウムシを探すのかというと、2024年4月13日(土)~5月26日(日)の期間で「テントウムシ展」を開催
オーストラリアで雨に打たれる2023年3月、オーストラリアを訪れていた私は、宿の目の前にある川でカモノハシが見られるという情報を聞き、雨の降る中カメラを庇いながらじっと川面を見つめていました。 カモノハシOrnithorhynchus anatinusはオーストラリア東部、タスマニア島、カンガルー島(移入)に生息する哺乳類で、カモのそれと似たくちばしを持ちます。卵を産む哺乳類として有名です。また、数少ない毒を持った哺乳類としても知られています。 カモノハシは日本では飼育
まだ寒さの残る2月。キタキチョウやツチイナゴなどの成虫で越冬する昆虫たちは枯草や樹の根元などに潜り込んで、暖かくなる春を待っています。当園の野外公園を見渡しても、寒い日には昆虫の姿はなかなか見当たりません。 今回は、そんな時期でも生きものを見たい!という人におすすめの方法、シフティングをご紹介します。 シフティングとは?シフティングとは、ふるいを使って落ち葉の中から小さな生きものを探す方法のことです。 小さな生きものは普段は目にしたり気にしたりすることが少ない生きものです。