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昆虫名言カレンダー『オムシのことば』とは何なのか

名言ってすごい。

涙とともにパンを食べたものでなければ、人生の味はわからない。 ゲーテ
 
道を知ることと実際に歩くことは違う モーフィアス(映画『マトリックス』)
 
一日生きることは、一歩進むことでありたい。 湯川秀樹

これまでいくつもの名言に感動し、短い一言が持つ大きな力に励まされてきました。
昔からなんとなく名言とか、心に残った一言なんかをメモっていたのですが(上記の言葉たちがその一部)、それがいつからか「昆虫名言」という変なものが生み出されるようになり、この度新たな商品が完成するに至りました。
それが、

もう発売中!

今回は、この昆虫名言カレンダー『オムシのことば 2024CALENDAR』を著者本人が好き放題に解説する回です。
 
このカレンダーを買おうか迷っている人はその判断材料に、ぜひ読んでみてください。
 
全然買う気がない人は、カレンダーの中身を結構公開してますので、この記事内だけでカレンダーを楽しむので全然OK!ということで、ぜひ読んでみて下さい。
 
そもそもこんなカレンダーのことなんて全く知らなかったって人は、よくわかんないけどなんかおもしろそう!みたいなノリって時に人生を豊かにする素敵なノリだと思うので、ぜひ読んでみてください。
 
ということで、もう全員ぜひ読んでみてください。
よろしくお願いします!!


『オムシのことば』とは

昆虫名言カレンダー『オムシのことば』とは何なのか。
一言で言うならば、

昆虫の名言が載った2024年のカレンダー(1月始まり)

なんですが、
「“昆虫の名言”ってなによ?」
ってよく言われます。
 
昆虫の名言とは、
「もしも虫たちが言葉を扱えたら、こんな名言を遺すのではないか」
という、こんちゅうクンの妄想です。
 
また妄想!!(参照:note「オムシJAPAN」)

でも単なる妄想ではなく、昆虫たちの姿や名前、生き方から妄想しているので、
この名言を通じて昆虫たちのことを知るきっかけにもなるはずです。
 
しかも、これらの名言は、全部じゃないけど、
実在する人の名言をオマージュした形になっています。
 
これでもちょっと何言ってるかよくわからない状態は続くでしょうから、
もう実際に見ていきましょう!

カレンダーの見た目

まず、見た目こんな感じ。
外袋に入っていて、妙に縦長です。
すでにカブトムシの名言が載っています。

カブトムシの名言、せつな!

本屋さんではこの姿で売られています。
縦長なので他のカレンダーからはみ出しているのがポイントです。

谷島屋ららぽーと磐田店で販売中の『オムシのことば』

 そして中身はこんな感じ。

外袋から取り出すとカレンダー本体が登場
ひもでつづられています。

こんな感じの縦長カレンダー。
めくったり切り離したりするのではなく、12枚(12ヶ月)のカードがひもでくくられている形式。
ひもを引っ掛けて吊るしてもいいし、ひもを外して一枚ずつ壁に貼ってもよし。
ご自由にお使いください。
 
なお、この縦長の大きさはちょうどポストカード2枚分になっています。
真ん中に切り取り線があって、切り離してポストカードとして使えるようになっています。
カレンダーとしての役目を終えた後は、誰かへのプレゼントやお便りにお使いいただくことが可能です。
 
さて、ようやく内容について見ていきます。

5月 ナナホシテントウの名言

5月はナナホシテントウの名言を掲載。

5月 ナナホシテントウの名言

 おわかりでしょうか。

つまづいたって いいじゃないか にんげんだもの

『にんげんだもの』相田みつを

相田みつをさんの詩『にんげんだもの』オマージュです。
ナナホシテントウが虫だって転ぶのだと、転んだっていいじゃないかと励ます言葉。
しかも、自らを「転倒虫」と呼ぶダジャレまでぶっ込んできています。
 
テントウムシは本来「天道虫」と書き、常にお天道様に向かって歩く様子から名付けられたと言います。
めっちゃポジティブな名前!
そんなポジティブ昆虫でも、転ぶことがあるのです。
 
にんげんも、てんとうむしも、みんな転ぶ。
それでも、また起き上がって歩いていこうじゃないですか。

上に向かって歩くナナホシテントウ

11月 オオゾウムシの名言

11月 オオゾウムシの名言

これは山本常朝が武士としての心得を語った書物『葉隠』の有名な言葉、

武士道といふは、死ぬことと見つけたり

『葉隠』山本常朝

のオマージュ。
 
刺激的な一言ではありますが、決して実際に死ぬことを指しているのではなく、
「死ぬ覚悟で事にあたれ」「生きるために心の中で死んでおけ」と説いています。
 
オオゾウムシは死んだふりがリアルで、まるで本当に死んでしまったかのよう。
ただそれも、生きるためにやっていること。
「生きるために死ぬ(ふり)」とはまさに武士道であり、虫の生き方にも通ずるものがあるはずです。

オオゾウムシの死んだふり。とってもリアル。

 そもそも、私たちよりももっと死が身近にある虫たちにとって、その生き方を示す「虫道(むしどう)」なるものがもしあるとすれば、そこに「死」はきっと含まれるはず。

虫道といふは、死ぬことと見つけたり

オオゾウムシ

全名言、解説付き

こんな感じで昆虫たちの名言12ヶ月分をお楽しみいただけます。
そして、裏面にはもれなく名言の解説付き。
 
ここでは一例として、6月のクロゴキブリの名言と解説を全文公開いたします。

クロゴキブリの名言
クロゴキブリの名言解説

ゴキブリ。
この文字を見ただけで嫌な気分になる人もいるのではないだろうか。
昆虫界…いや、生物界でもっとも嫌われている存在と言っていいかもしれない。
そして時に、「ゴキブリが嫌いなので昆虫が嫌い」という声も耳にする。
 
すべて何かのイチブってことに 僕らは気づかない
『イチブトゼンブ』B’z(2009)
 
ゴキブリは昆虫というグループのイチブ。
そのイチブが嫌いだから昆虫全体を嫌ってしまうということもあるだろう。
しかし、それはあまりにもったいない。
なぜなら、昆虫は生物界でもっとも種数の多い多様なグループだから。
そしてなんならみなさんが家庭で目にするゴキブリも、ゴキブリというグループの中のほんのイチブでしかない。
それで昆虫ゼンブ、ゴキブリゼンブを嫌いになってしまうのは、好きな昆虫や好きなゴキブリに出会うチャンスを自ら捨て去ってしまうようなもの。
 
「私のことは嫌いでも、AKBのことは嫌いにならないでください!」
 
2011年6月9日、第3回AKB48選抜総選挙で1位を獲得した後、前田敦子が口にした一言である。
たとえイチブを嫌いでも、それを含むゼンブは嫌いにならないでと。
イチブがゼンブ(AKB48というグループ全体)を想う熱い言葉に多くの人が胸を打たれたはずだ。

磐田市竜洋昆虫自然観察公園で毎年開催されている「ゴキブリ展」では、ゴキブリの人気投票“GKB48総選挙”が行われており、クロゴキブリは2022年に第6位と初の上位進出、“神セブン”入りを達成。
 
いつの日か、クロゴキブリが1位を獲得した際には、きっとこう言い放つはずだ。
 
「私のことは嫌いでも、昆虫のことは嫌いにならないでください!」

クロゴキブリ名言解説:「私のことは嫌いでも、昆虫のことは嫌いにならないでください!」

全部ではないですが、オマージュした名言のことや昆虫の生き方などについても解説しており、
せっかくなので名言について、昆虫についても知るきっかけとなりましたらとても嬉しいです。
この解説の存在により、他ではあまりない読み応えのあるカレンダーとなっています。

さりげないこだわりポイント

もうね、この調子で全昆虫、全名言について紹介したくなっちゃっているのですが、
あとはまあ買ってからのお楽しみにしましょう。
(とはいえ当園には全部掲示してるし、SNSでも公開しちゃってたりします。)
 
まだまだお伝えしたいポイントは多々あるのですが、その他のこだわりポイントについては以下、箇条書きにてすらりとお伝えすることにします。
 
こだわり①:イラストはすべてこんちゅうクンが描きました。
色や全体的なデザインなんかは、デザイナーさんがきれいに仕上げてくれました(ありがとうございます!)。
あと、イラストに添えられている昆虫の名前の文字もこんちゅうクンが書きました(まさか文字まで使われるとは思わなかったです)。

カブトムシ、ノコギリクワガタ、アブラゼミ原画
カタツムリ原画

誰でも描けそうなイラストだなといつも思います。
 
こだわり②:各名言、なぜその月に掲載なのかすべて理由があります。
たとえばナナホシテントウの名言は相田みつをさんのオマージュでしたが、
相田みつをさんの誕生日は5月20日。
なので5月にナナホシテントウを掲載しました。
 
7月のノコギリクワガタの名言は、

PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持ったものだけだ

ロベルト・バッジョ

という1994年アメリカワールドカップ決勝でPKを外したイタリア代表ロベルト・バッジョの名言オマージュでしたが、
この決勝の試合が行われたのが1994年7月17日でした。
 
オオゾウムシの名言は11月に。
これは『葉隠』を残した山本常朝の命日が11月21日だったとの情報から来ています。
 
この他にも偉人の誕生日や歴史的出来事の日付、映画の公開日など、いろんな理由でどの月に掲載するかを楽しく決めました。
あえてその理由までは解説で書いていないので、なぜこの月なんだろうとか考えてみるまた一興かもしれません。
 
こだわり③:6月4日に色をつけてあります(緑色)。
別に祝日でもなんでもないので他のカレンダーではただの平日でしょうが、
この日は、【虫の日】ですから!みんな忘れないように!

6月4日は【虫の日】。たぶん学校も仕事も休みじゃないので間違えないように。

カレンダーを買えるのは“今”だけ

いかがだったでしょうか。
少しでも昆虫のことを、そして名言のことを知っていただく機会となり、
ちょこっとだけでもおもしろかったり感動することがあったら、とてつもなく嬉しいです。もう万々歳です。
 
『オムシのことば』は静岡県内の書店にて販売中ですので、欲しくなった方はぜひお買い求めくださいませ。
もちろん当園ミュージアムショップでも発売中です。
通販は出版社の専用サイト「くまふストア」で購入可能となっております。 

“密林”には置いていませんのでご注意を。
 
注意事項が1点ございます。
 
書籍と違い、カレンダーなので、それも2024年のカレンダーなので、
販売時期に限りがあります。
たぶん2024年1月頃まで。

それ以降は売られていないと思います。だってカレンダーだから。
 
著者としては少しの時期しか並ばないのは少しせつない気もしますが、
でも、それもありだなって思ったのです。
 
なんか昆虫っぽいなと。
 
昆虫の生き方を見ていると、どれもせつなく、はかない。
カブトムシが見られるのも、セミの声が聞けるのも、夏の間の1ヶ月程度。
スズムシやコオロギの声に涼んでいたら、あっという間に冬が来て静かな季節となります。
 
カレンダーは1年限り。販売時期についてはたぶん数ヶ月限り。
たった数ヶ月の販売期間でも、私も虫たちに負けずに一生懸命走り抜けなければなりますまい!
と思った次第です。
 
短い期間となりますが、もし書店などで見かけることがありましたら
表紙のカブトムシの名言&解説だけでもお読みいただき、はかない昆虫たちの生き方に思いを馳せていただけましたら幸いです。

2023年8月22日、初めて手にした完成品

オムシのことば 2024CALENDAR
体裁:縦長の壁掛けカレンダー(表紙と12ヶ月分の13枚をオリジナル封筒に梱包)
価格:1600円+税 販売場所:静岡県内書店、りゅうこん、くまふストア 
発売:2023年8月末頃〜
制作発行:くまふメディア制作事務所