オムシJAPAN 〜昆虫たちがサッカーをやったらこのメンバーが最強だ〜
小さい頃の夢はサッカー選手になることでした。
サッカーの試合を見ながら、いつもあのピッチの上に立ったらどんなプレーをするだろうかと妄想し、その妄想を上回るスーパースターたちのプレーに感動していました。
ある時、
「どうやらプロのサッカー選手には全然なれない…」
そう気がついて、次に目指したのが昆虫博士でした。
(その夢も叶わなかったのですが)
そんな僕が、いつからか
「もし僕があのピッチに立ってサッカーをやったら…」
ではなく、
「もし昆虫たちがピッチに立ってサッカーをやったら…」
と妄想するようになりました。
それが、
もし昆虫たちがサッカーをやったらこのメンバーが最強だ!
っていう僕の妄想サッカー昆虫代表メンバー。
今回はサッカーも昆虫も大好きなこんちゅうクンが、
サッカーも昆虫も両方楽しめちゃう“オムシJAPAN”について紹介します!
オムシJAPANとは
さっき言った通り、僕が考えた昆虫たちによるサッカー最強イレブンっていう、
妄想です。
ここ、大事。
すべて妄想です。
ただ、実際の昆虫の姿形や行動、生き方に基づいて妄想してはいますので、
これを通じて昆虫のことが気になり始めたり、サッカーの魅力に気がついたりするきっかけにちょっとでもなったら嬉しいです。
では、どうぞお付き合いくださいませ!
メンバー発表
まずは、オムシJAPANに選出された15名のメンバーを一気に発表したいと思います。
DFにはやはり毒を持ってる選手や臭い選手などが選ばれ、相手の嫌がる守備がすでに想像できます。
中盤には“キングカブ”ことカブトムシ。
最年長のカブの実力は健在。
チームの司令塔としてタクトならぬ長いツノを振ります。
少し心配なのはセイヨウミツバチとオオスズメバチ。
スズメバチはミツバチを襲ってしまうぐらい仲の悪い2人ですからね。
おそらく同時に出場は不可能なので、この両者のどちらを起用するかでチームの方針がある程度見えてくるでしょう。
続いて、スターティングメンバーおよびフォーメーション。
4-4-2というか1-3-4-2。
通常、オフサイドという待ち伏せ禁止ルールがあるので、ディフェンスを横1列に並べて配置し、オフサイドを誘いながら守るのが現代サッカーの定石。
しかし、我がオムシJAPANではがっつりとしたスイーパーシステムを採用。
ディフェンスを1列に配置しておきながら、その後ろにもう1枚ディフェンス(アリジゴク)を置くため、全然オフサイドがとれないポジションです。
必勝パターン 〜守備編〜
さて、このメンバーでどう戦うか。
サッカーで勝つために必要なことは、簡単に言ってしまえばたった2つ。
まずは、「点を取られない」こと。
そして、「点を取る」こと。
この2つです。
この両方ができれば必ず勝てます。
絶対に点を取られず、確実に点を取る。
我がチームの昆虫たちならばこの2つが可能であり、それゆえ「必勝」パターンが存在するのです!
まず、点を取られないための守備のご紹介。
ゴール前に立つ最強のゴールキーパーが、
オオカマキリです!
カマキリの動体視力はすごい!
動いているものが視野に入ると顔をそちらに向け、すばやく鎌状の前あしで捕獲。
ギザギザがついていることで、つかんだ獲物を決して逃しません。
キャッチング後すぐボールに噛みついてしまう癖(捕食行動)は不要かもしれませんが、
エリア外からのシュートは一度も決められたことがないという昆虫界のSGGKなのです!
(「SGGK」が何の略かはサッカーまたはジャンプコミックスに詳しい大人に聞いてみよう)
っていうか、こんな手みたいなあしを持ってる昆虫がそんなにいないんですよね。
とにかくもうキーパーはカマキリ以外にはいないのです。
そして、キーパーの前、DFの最後尾にはアリジゴク!
アリジゴクとはウスバカゲロウの幼虫のこと。
地面にすり鉢状の巣を作り、そこに落ちてくるアリなどの小さな虫を捕食することから「蟻地獄(アリジゴク)」と呼ばれています。
そんなアリジゴクの役割は極めて単純明快。
自陣ペナルティエリア内に大きなすり鉢状の巣を掘り、
エリア内にドリブルで侵入してきた相手選手もろともボールを奪う!!!
これでバイタルエリアへの相手の侵入は不可!
圧倒的有利な状況が生まれます。
気がかりな点としては、ディフェンスラインの一つ後ろに1人だけいるのでオフサイドがとれず、両サイドの裏スペースを相手に自由に使われてしまうことでしょう。
でも、問題ありません。
要は点を取られなければよいのです。
自陣ゴール前がすべて“蟻地獄”という名の落とし穴と化すので、基本的にペナルティエリア内へのドリブルでの侵入がムリ。
たとえサイドからセンタリングを上げられたとしても、蟻地獄付近でジャンプをしてのヘディングはおろか、立ってるだけでやっとなはず。
ということで、サイドをいくらでも突破されても全く問題ないのです。
とるならオフサイドよりもボールです。
なお、こうなると相手はきっとペナルティエリア外からのミドルシュートを多用してくるでしょう。
しかし、これも問題ありません。
そこで立ちはだかるのが“SGGK”オオカマキリ。
エリア外からのシュートストップ率は100%。失点はやはりあり得ないのです。
必勝パターン 〜攻撃編〜
次に、点を取るための攻撃。
攻撃の起点は守備からです。
奪ったボールをDF→MF→FWへとビルドアップしていくのが普通ですが、我がチームはそんなことしません。
こちらの守備でのボールの奪いどころは先程説明したアリジゴク。
ペナルティエリアに掘った落とし穴に相手選手もろともボールが落ちてきます。
そのボールをどうするか。
アリジゴクはボールを地上に戻さず、そのまま地下を通って前線へ向かいます。
どんな屈強な相手選手がいたとしても、股の下どころか足元の下を通られたら為す術なし。
そしてもうお気づきでしょうか。
うちのFWの一角は、地面の下で生活するケラ!
ケラがいることで、地面の下でアリジゴクからボールを受け取ることができてしまうのです!
ケラは良きところで地上へ。
相手のDFだけでなく、審判の裏をもかいて絶対にオフサイドにならずにキーパーと1対1の状況を作り出し、楽々ゴールゲットという流れです。
今回はオムシJAPANの得意とする自陣深くでのボール奪取、そして、ボール奪取から攻撃への巧みな切り替えの部分を解説させていただきました。
これこそが現代サッカーの常識を覆す必勝戦術。
きっとこれが世界のトップ・オブ・トップの戦いで見られる日もそう遠くはないでしょう!
・・・
っていう、妄想です。
いかがだったでしょうか。
メンバー15人も選出したのに今日3人しか紹介できていません。
もっといろんな戦い方や昆虫ならではのスキル発動があるのだけれど…
今日はここまで!
他のメンバーについて、そしてその気になる起用方法についてはまたの機会に。
あなたならどんな昆虫を起用するでしょうか。
昆虫は多様で実に個性豊か。
ぜひいろんな昆虫について知ってもらい、昆虫の魅力を楽しんでもらえたらと思います。
そして、
もしいい選手(昆虫)がいたら、ぜひオムシJAPAN監督までご一報くださいませ。
おわりに
今年、ジュビロ磐田のクラブアンバサダーに就任させていただきました。
小さい頃の夢はサッカー選手になることでした。
叶いませんでした。
でも、ユニフォームを着てスタジアムのピッチ上に立つことができました。
選手としてではないけれど、巡り巡って、違う形となって、夢が叶った心地です。
昆虫を生業としていますが、大好きなサッカーと(それもジュビロ磐田と!)関わらせていただけることは本当に幸せなことです。
これからも昆虫館でジュビロのフラッグを振り回してサッカー応援していきますが、どうかご容赦いただけましたら幸いです。
オムシJAPANは単なる妄想。
それでも、
僕はこれからも昆虫を想い、サッカーを想い、日本サッカーと昆虫たちの活躍を期待する日々を送ることでしょう。