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雨が降っても晴れでも見られる虫は変わらない?雨の日に探してみたら…

はじめに

しとしとと降る雨の中、生きものの観察に出かけたことはあるでしょうか。観察と言うと天気の良い晴れた日を選ぶかと思います。では、雨の日に生きものはいないのでしょうか?

今回は雨の日に、こんちゅう館の野外公園を回って生きものを探してみることにしましょう。一体どんな生きものが見つかるでしょうか?

野外公園出入口

さあ、雨の野外公園へ出かけてみましょう

さっそく見つけたのは、ジョロウグモの幼体
近づきすぎたみたいで、大急ぎで逃げていってしまいました。もうじき成体になって、大きくて立派な姿が見られます。その姿を想像すると、今からとっても楽しみでワクワクします。

ジョロウグモの幼体

樹の周りをぐるっとひとまわり。茶色い幹にひときわ目立つ色をした生きものを見つけました。うーん、セミみたいな顔をしている。よく見るけど、何ていう虫だったかな。
あとから調べてみると、アオバハゴロモというカメムシの仲間の昆虫でした。体が緑色で綺麗な昆虫です。

アオバハゴロモ

雨の日に必ず姿を見せてくれるのは、カタツムリたち。小さいカタツムリから大きなカタツムリまでたくさんのカタツムリが地面や草むら、樹の上を歩いています。晴れた日は殻に閉じこもっているので、歩いている姿を見かけると嬉しくなります。

雨の日に園路を歩くときは要注意!地面をのんびり歩いているカタツムリを、うっかり踏まないように足元をしっかり見て歩きましょう。
イセノナミマイマイオナジマイマイを見つけました。

イセノナミマイマイ
オナジマイマイ

背の低い草の上でオンブバッタを見つけました。こちらは茶色い色のオンブバッタ。すぐ近くには緑色のオンブバッタがいます。オンブバッタは緑色と茶色、両方いるみたいです。
他の色が出ることはあるんでしょうか?ずーっと同じ色をしているんでしょうか?生きものを見ていると、たくさんの疑問が生まれてきます。

茶色いオンブバッタ

中央ゾーンを進んで花野へと向かいます。
今が見頃のジンジャーリリーの周りを見てみると、ひょこっと顔を出している生き物を見つけました。どこにいるか分かるでしょうか?

ジンジャーリリー

ここです、ここにいます。

葉っぱの裏から顔を覗かせるオンブバッタ

葉っぱの裏で雨宿りをしているのでしょうか?それとも私に気付いて、隠れてそっと覗いているのでしょうか?いろんな想像がふくらみます。

真っ白な花をジッと見てみますが、虫はいないようです。晴れた日はジンジャーリリーのよい香りに誘われてたくさんの生きものが集まりますが、雨の日はどこか別の場所に行っているみたいです。

諦めて次の場所に向かおうと、顔を横に向けると大きな生きものが目に飛び込んできました。

オオカマキリ

オオカマキリです。思わず声をあげてしまうくらいビックリしました。ガサガサと草をかき分け、花をのぞき込んでいる間、ずーっと私の横で気配を殺してたたずんでいたのでしょうか?写真を撮るために近づいても、ちっとも動きません。
さすが、待ち伏せて獲物を狩るハンターです。

オオカマキリを見つけたことですっかり満足しながらも、ふたたび歩いていきます。次に見つけたのはアオドウガネです。
体の色が濡れたサザンカの葉っぱそっくりで、自分でもよくアオドウガネに気が付いたなと思いました。
雨に濡れても気にしないのかな?と見ていましたが、後ろ脚でしきりに体をこすって水を払っていたので気にはなるのかもしれません。

アオドウガネ

今度は東屋あずまやを覗き込んでみます。水溜まりの中をサササッと動いていたのはカニでした。どこからともなく現れてはこんちゅう館内にも入ってきてしまうカニたち。野外公園には4種類のカニが生息してます。このカニはクロベンケイガニのようです。

クロベンケイガニ

花野にランタナという植物の花がたくさん咲いています。あっちに飛んでこっちに飛んで。花から花へと飛ぶのは、この公園でよく見かけるイチモンジセセリです。雨の中、元気に飛び回って花の蜜を吸っていました。

イチモンジセセリ

今度は背の高い草にバッタやトンボがいないかと、見て回ります。
こんなところにもカタツムリが歩いていました。晴れた日は見つけることが大変なのに、一体どこに隠れていたのだろうと思うくらい雨の日は見つかります。

イセノナミマイマイ

大きなハギの葉の上でバッタを見つけました。大きな水滴を体にのせながら、ハギの枝を脚でしっかり掴んでジッと静かにしています。
あとから昆虫担当のスタッフに名前を聞くとコバネイナゴという名前だそうです。イナゴと言ってもいろいろな種類のイナゴがいるのですね。

コバネイナゴ

さあ、今度は花野から石橋を渡って学校ゾーンへと向かいます。上り坂になっているので滑って転ばないように注意しながら歩きます。

樹の幹に赤い色が見えました。何だろうと覗き込むと逃げていきます。追いかけていくと正体はカニだと分かりました。赤色のハサミをもつアカテガニは公園内でよく見られるカニで、目立つ赤色は地面にいても樹の上にいてもすぐに見つかります。

アカテガニ
アカテガニのお気に入りスポット?

学校ゾーンの東屋あずまやの柱にはナメクジがいました。久しぶりに見ました。なかなかの大きさです。
頭を引っ込めているのか、どっちが前なのか後ろなのか分かりません。頭だけ雨を避けているのでしょうか?たぶん、写真の右側が頭のはずです。
こちらも昆虫担当スタッフに名前を聞いてみたら普通のナメクジだそうです。

ナメクジ

さあ、散策も終わりに近づいています。学校ゾーンの石畳の下り坂を進んでいきます。
園路の横のハギにキタキチョウがとまっていました。薄暗がりの雨の中、ハギの間をひらひら飛んでいます。

キタキチョウ

最後にアメリカノウゼンカズラのアーチをくぐって、こんちゅう館内へ戻って、今日の散策はおしまい。

おわりに

雨の日でもたくさんの生きものに出会えました。観察に行く前は、生きものたちは葉っぱの裏にかくれているかな?と予想していましたが、葉っぱの上にとまっている昆虫がいることに驚きました。
この日はたまたま葉っぱの上にいたのか、いつもそうしているのか。気になるのでまた雨の日に公園を散策して確かめてみたいです。

秋は雨の降りやすい季節です。しとしとと降る雨の日に、生きものがどうやって過ごしているか観察することも面白いかもしれません。

もちろん、安全第一です!
激しい雨の時は出かけない、崩れやすい場所などの危険がある場合は近づかない。安全か確認したうえで、生きもの観察を楽しんでみて下さい。

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