りゅうこんハエトリグモウォーク
突然ですが皆さん。
この虫知っていますか?
いかがでしょうか?
実はこの虫、誰もが必ずと言って良いほど見たことがある、身近な虫なのです。
正解はタイトルにも含まれている通り、ハエトリグモです。
今回は可愛らしい見た目やしぐさから、人気のあるハエトリグモについて、竜洋昆虫自然観察公園内で観察できる種類の紹介と探し方を書いていきたいと思います。
ハエトリグモについて
先程、誰もが必ずと言って良いほど見たことがある、身近な虫と言いましたが、こんな虫見たことない!と思っている方もいるのではないでしょうか?
ハエトリグモの中にはお家の中にも姿を現す種類もいて、とても身近な存在なのです。
このような感じでお家の壁についている何かを見たことはありませんか?
その小さな何かをよく見るとハエトリグモである可能性が高いです。
非常にファンタスティックなお顔をしています。はじめてハエトリグモの顔を観察した時、家にも出現するあの小さなクモの正体が、こんな顔をしているクモだと知ったときは信じられませんでした。この顔を見て分かる一番の特徴は正面につく大きな眼です。合計で8個の眼を持ちますが、その中でも正面についた大きな眼が優れた視力を持ち、動いているものに対して素早く反応をします。そしてハエなどの小さな虫を狩り、エサとしています。
私はこの顔を見て可愛いと思えるのですが、人によっては気持ち悪いと思われてしまうこともあります。どう感じるかはあなた次第!
上記の画像のハエトリグモの種類は何と何でしょうか?
少しいじわるな質問をしました。
なぜかと言うとどちらも同じ種類のハエトリグモだからです。
ハエトリグモの多くはオスとメスで体の模様や体形に差があります。
違う種類に見えるハエトリグモでも同じ種類のオスとメスかもしれません。
ちょっと難しくはなりますが、それもハエトリグモの魅力の一つだと思います。
りゅうこんで見つかる種類(代表3種)
ここからはりゅうこんにお越しくださった皆さんにも、ハエトリグモ探しを楽しんでほしいため、りゅうこんで見つかる種類を紹介していきます。
りゅうこんで一番見つかりやすいハエトリグモがアオオビハエトリSiler cupreusです。
4~10月頃にりゅうこんの観察公園にて、足元やこんちゅう館の壁、石垣、アリの巣の近くや植木鉢などを観察していると、見つかります!特に植木鉢は見つけやすく出現率も高いので熱いスポットです。
アオオビハエトリは、アリを狩りして食べるため、アリの巣の近くで観察出来ることがあります。
アリは強力な大あごを持ち、蟻酸という酸を出すことが出来るなど、自分を守る術がしっかりと備わっています。そんな強力なアリを、アリと同じくらいの大きさのハエトリグモが狩りをするのです!小さいのに勇ましい。アリだけでなくアリ以外の生き物を食べることもあります。
はっきりとなぜだかは分かりませんが、前脚を振りかざして、腹部を上下にピクピクさせながら歩き回っているのをよく見かけます。一生懸命動いている感じがたまらなく愛おしいです。
体の側面には輝く青い線があり、オスの腹部にも光沢があるなど綺麗な種類です。
ミスジハエトリPlexippus setipesは家の中に姿を現す可能性があるおうちハエトリとして親しまれているハエトリグモです。りゅうこんでもこんちゅう館内に姿を現すことや、こんちゅう館外の壁や門扉周辺などで観察されます。ふとした時に見つかることが多く、探そうとすると中々見つからないこともあります。
ミスジハエトリのオスはおでこに赤~橙色の帯模様があり綺麗な色味をしています。私が住んでいる家では見たことがないのですが、館内で見つけると幸せな気分になります。メスはオスと比べると少し地味な色合いをしています。個体によって色味に差があり暗褐色~黒っぽい色合いの個体もいて別のクモのように見えることがあります。
チャスジハエトリPlexippus paykulliも家の中に姿を現す可能性があるおうちハエトリです。ミスジハエトリ同様にこんちゅう館内や、こんちゅう館外の壁などで観察されます。私がりゅうこんで初めてチャスジハエトリを見つけたのはまだ寒い2月の館内でした。こんちゅう館内は冬場も暖かくしているので姿を見せてくれたのだと思います。頻繁に姿を現してくれますが、この子も探そうとすると中々見つからないことがあります。
チャスジハエトリはオスもメスも大きくインパクトのあるハエトリグモです。りゅうこんでなんかでかいやつが壁を登っている!と思ったら大体がチャスジハエトリです。(同じくお家に出るゴキブリを狩ることで有名なアシダカグモには遠く及びませんが。)すごく個人的な感想ですが、機械的な顔立ちをしているように見えます。
他にも観察できるハエトリグモまとめ
竜洋昆虫自然観察公園では (2023/6/7)現在14種類のハエトリグモが見つかっています(かつや調べ)。今紹介した他にもまだまだ観察できるハエトリグモが生息していますし、まだ見つかっていないハエトリグモも生息していると思われます。身近に存在し親しみのある可愛いハエトリグモ探しを楽しんでみてはいかがでしょうか?