ドングリを見つけて調べて食べてみた
はじめに
実りの秋。
今年は例年よりもたくさん実ったようで、どこを歩いてもドングリが落ちています。
ドングリ図鑑の巻末にはドングリの食べ方や遊び方などが書いてあることが多いです。私も子供の頃、ヤジロベエやドングリコマを作って遊んだことがあります。他のスタッフとドングリの話になった時に、子供の頃にシイの実をおやつに食べていておいしかったと話すスタッフがいました。その話を聞いた時に、「ドングリってどのくらい美味しいんだろう」と気になりました。
ドングリはアクがあるのでアク抜きをしないと渋いものもありますが、種によってはアク抜きをしなくても食べられるものもあります。
今回はアク抜きせずに食べられるドングリを見つけて、炒って食べてみようと思います。
ドングリは美味しいと聞くけれど本当に美味しいのか、ドングリの種類で味に違いがあるのかを食べて確かめてみることにしましょう。
食べられるドングリ探し
竜洋昆虫自然観察公園の雑木林にはクヌギやコナラ、マテバシイなどのいろいろな種類の樹が植えられています。調べてみると、その中でスダジイとマテバシイのドングリはアクが少ない為、アク抜きをせずにすぐに食べられるようです。どちらのドングリもすぐに見つかりました。
ここでちょっと、ドングリの見分け方を簡単に説明します。
ドングリとは「ブナの仲間の木の実のこと」を言います。
殻斗は「皿」「お椀」「帽子」「パンツ」とか、いろいろな名前で呼ばれています。
ドングリ紹介
スダジイ
細長くて先端は尖っています。殻斗は2~4つに裂けます。
マテバシイ
明るい茶色で白いろうのようなものがドングリにつきます。お尻は少しへこんでいます。殻斗はうろこ状です。
コナラ
細長かったり丸かったり様々な形をしています。殻斗はうろこ状です。
クヌギ
丸くてずっしりしたドングリです。殻斗はドングリを包むように大きくてもしゃもしゃしています。
クリ
実はクリもドングリなのです。殻斗にはトゲトゲがたくさんある。
ドングリを味わう
今回は炒って食べることにします。
用意するものはフライパン、ガスコンロ、ドングリだけ。
まずはスダジイを炒ってみましょう。どのくらい炒ったらよいのか分からないのでちょっと待ちます。
少しすると香ばしい香りがしてきました。外側の殻もはじけてきました。
火を消してフライパンからドングリを移します。
いざ実食!
うーん、炒りすぎて少し硬かったかも。カリッとした歯ごたえで、ピスタチオのような触感です。ナッツの中に混じっていても気づかない気がします。実も小さくておつまみのようです。
お次はマテバシイを炒ります。
こちらは堅いドングリなので試しに数個だけ包丁で切れ目を入れておきました。スダジイよりも大きくて時間がかかりそうなので長く炒ってみます。
黒く焦げてきました。そろそろ良いかもしれません。
殻をとるとしっとりした見た目の中身が出てきました。これは美味しいかもしれないとドキドキしながら口に入れます。
これは栗だ!と嚙んだ瞬間に思いました。天津甘栗のような味です。
モチっとした歯ごたえと甘みを感じます。おやつ感覚でたくさん食べたくなります。
この日出勤していたスタッフのゴキブリストしずまとカエル大好き堀内さん、研修に来ていたインターン生1人に味見をしてもらいました。
3人にスダジイとマテバシイのどっちの味が好きか聞いてみました。すると、しずまと堀内さんはマテバシイ、インターン生はスダジイが好きとのことでした。それぞれ好みがわかれるんですね。みなさんはどっちが好みでしょうか?
ドングリを食べてみて
スダジイとマテバシイの両方を食べてみて、どちらも想像以上に美味しかったです。特にマテバシイは大きくて食べかいがあって日常のおやつになれそうです。
おつまみならスダジイ、おやつにマテバシイでしょうか?
ただ、殻がはじけなかったスダジイは中身が黒く乾燥して食べられない状態でしたので見た目が綺麗でも中身が食べられない場合があるようです。
マテバシイはとても堅いドングリなので、包丁で切れ目を入れるときはドングリをしっかりと押さえて切りましょう。炒る前に切れ目を入れておくと、熱くなくてよいと思います。
おわりに
ドングリを食べるときの注意点
ドングリを食べるときは、アレルギーが出るかもしれないので気を付けて食べるましょう。
また、ドングリを拾っても良い場所なのかもきちんと確認しましょう。
この秋、みなさんも秋の味覚ドングリをちょっぴり味わってみてはいかがでしょうか。
参考文献
いわさゆうこ, 2010. ドングリハンドブック. 文一総合出版