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クモ展でぜひ見て欲しいクモのご紹介!

6月から始まったクモ展も残すところあと14日間となりました。そこで今回は、展示しているクモの中から「ぜひ見て欲しいクモBest4」を選んでご紹介します。

展示されているどのクモも素敵なクモたちですので、その中からBest4を選ぶのは難しいのですが、今回は私がおススメするクモたちをお届けします。


Best4 驚きの大きさ!!

やはりこの大きさのクモは外せません。展示中のタランチュラの中で一番大きいゴライアスピンクフットバードイーター

ゴライアスピンクフットバードイーターのメス。オスはピンク色の脚をもつ。

隣に展示されているアカプルコレッドニーでも十分大きいサイズですが、このゴライアスピンクフットバードイーターはアカプルコレッドニーの倍以上、手よりも大きいサイズです。

アカプルコレッドニー。ずんぐりむっくりしている。オレンジ色が目立つ。

写真では2種の大きさが分かりにくいと思うので、ぜひこんちゅう館で見比べてみて下さい。

ゴライアスピンクフットバードイーターは体の色が美しいと思います。光の加減によって頭胸部はビロードのような艶やかさを見せます。思わず撫でたくなりますが、撫でようとすれば最後、クモから手痛い攻撃を受けてしまいます。
タランチュラは体の毛を脚でバババッと飛ばしてくるのですが、その毛が人間の皮膚に付くと猛烈な痒みに襲われるそうなのです。解説用にクモの写真を撮っていたゴキブリストしずまはこの痒みに3、4日間も悩まされて体を掻きむしっていました。

毛を飛ばすとその部分は次の脱皮まで禿げたままになってしまうので、その行動を見るたびに私は「やめて!お尻が禿げちゃう!!」と頭を抱えてしまいます。

Best3 南の島からこんにちは!

オオジョロウグモ。じっくりと見ていたくなる。

九州・南西諸島に生息する、日本で1番体長が大きいと言われているオオジョロウグモ
オオジョロウグモは長い脚のいかつさと大きな腹部とその模様がなんともたまらないクモです。こんなに素晴らしいクモが日本で見られるなんて!!
初めてオオジョロウグモを南西諸島で見た時、とても興奮して、見つけるたびに私はその大きさに驚いていました。

当園で展示中のオオジョロウグモはサイズが少し小さいのですが、これからも引き続き飼育をして大きくしていきたいと思います。

全身が黒いオオジョロウグモもいる。

Best2じつは隠れてた!?

カクレコケオニグモ。、腹部の模様はもちろん、脚の色にも注目してほしい。

2021年に新種として発表されたカクレコケオニグモ
コケオニグモというクモに似ていますが、カクレコケオニグモの腹部の模様や質感はよりいっそう「コケ」らしさのある見ためをしています。また、腹部の2本の突起が力強さを感じさせます。
WEB上でこのクモを知った時から見たい見たいと思っていたので、実際に自分の眼で見ることができてとても嬉しいです。

地衣類に似ているコケオニグモ。地衣類の中に隠れていると姿が分からなくなる。このクモも見つけると嬉しくなる。

Best1その見た目に驚愕!!

ヒトエグモ

クモといえば腹部が丸い。ヒトエグモはそんな私のクモへのイメージを気持ちよく覆したクモです。
「平べったい!」この一言に限ります。家屋などの隙間に生息しているのですが、どうしてこんなに平べったいんでしょう?これほど薄いクモは他にはいないのではないでしょうか?

図鑑を見てから絶対に見たい!と思っていたクモだけに、こうやって実物のクモを見られたことに歓喜しました。
また、想像していた大きさよりも実物は意外と小さいのだなと知れたことも良かったです。脚の長さから大きいのだと思い込んでいましたし、期待が大きかった分、大きさも頭の中で膨らんでいたのかもしれません。

おわりに

今回は、「クモ展期間中にぜひ見て欲しいクモBest4」をお届けしました。
珍しいクモの紹介が多くなってしまいましたが、この他にも素敵なクモたちを展示しています。
また、野外公園では、地面を歩いている種や花や草の上で待ち伏せている種、大小さまざまな網を張っている種などたくさんのクモを観察できます。来園された際は野外公園でもぜひクモを見つけてみて下さい。

企画展『クモ展』は2024年7月14日(日)まで開催しております。皆様のご来園をお待ちしています。

参考文献
馬場友希・谷川明男, 2015. クモハンドブック. 文一総合出版. 東京
谷川明男・八幡明彦, 2002. クモギネス 日本最大のクモ. 遊絲, 11: 9–12